化粧品の全成分表示ルール|容器・外箱での記載方法
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
化粧品の全成分表示は、成分名を邦文名で記載し、原則として配合量の多い順で表示するルールを基本に、容器のサイズ等で記載場所の特例を確認します。
表示原稿を作る作業と、成分の情報を確定する作業は同じではありません。完成品の容器、外箱、添付文書のどこに何を記載するかを決める前に、製造販売を担う者、原料や処方の情報を確認する者、ラベル原稿を確認する者の役割をそろえます。
全成分表示の基本
化粧品の表示は、直接の容器または直接の被包に記載する事項と、成分名称の表示方法を分けて確認します。全成分表示は、成分名の順番だけではなく、邦文名の使用、配合量に応じた記載順、容器ごとの記載場所を含む確認です。

| 確認する対象 | 主な確認内容 | 担当間でそろえる情報 |
|---|---|---|
| 製品の成分情報 | 邦文名と表示順 | 処方に関する情報と確認日 |
| 直接の容器等 | 記載事項と記載場所 | 容器の形状、内容量、ラベル原稿 |
| 外部の容器等や添付文書 | 特例による記載場所 | 外箱の有無と添付方法 |
法定表示と成分名称の位置づけ
薬機法第61条は化粧品の直接の容器または直接の被包に記載する事項を定め、第62条は外部の容器等への記載などを準用しています(2026年5月21日施行の現行条文、2026年9月8日確認)。成分名称の表示に関する具体的な方法は、薬機法施行規則第218条、第221条、第221条の2および第221条の3と、平成13年3月6日の通知を対応させて確認します(同施行規則は2026年8月24日施行、2026年9月8日確認)。
直接の容器等に記載する製造販売業者の情報、製品名、製造番号または製造記号などと、成分名称の表示を同じ項目として扱わないことが重要です。ラベル原稿を確認するときは、どの事項が直接の容器等に必要か、成分名はどこへ表示するかを分けて整理します。製造販売を誰が担うかを先に確認したい場合は、化粧品OEMで誰に許可が必要かを参照できます。
表示原稿の作成前には、容器の正面や側面に何を置くかというデザイン上の検討と、法定の記載事項を分けます。成分名称の一覧を外箱へ置く場合でも、直接の容器等に記載すべき事項まで外箱だけで済むと考えないようにします。確認表では、各事項について記載する場所、原稿の確認者、最終版の受領者を明確にします。

配合量順・1%以下・香料等の記載方法
出典である「化粧品の全成分表示の表示方法等について」(平成13年3月6日医薬監麻発第220号・医薬審発第163号)は、成分名称を邦文名で記載し、製品中の分量の多い順に記載する方法を示しています。1%以下の成分および着色剤は互いに順不同で記載して差し支えなく、香料は「香料」と記載して差し支えないとされています(2026年9月8日確認)。
混合原料や抽出物を扱う場合も、ラベル原稿だけで処理せず、成分名称に関する情報を確認します。処方や原料が変更されたときは、変更前の表示順を残したままにせず、変更後の情報で表示原稿を見直します。配合の禁止・制限に関する基準と成分名称の表示方法は別の確認軸であるため、化粧品基準の配合禁止・配合制限と混同しないようにします。
表示順を確認する担当者は、原料の情報が更新された時点で、ラベル原稿の再確認が必要かを判断できるようにします。原料の名称だけを置き換えて終えると、表示順、香料の扱い、混合原料の情報の確認が切り離されるおそれがあります。処方の情報と表示原稿の版を対応させることで、量産前の確認を同じ資料に戻して行えます。
容器サイズごとの特例
成分名称の表示は、内容量が小さいことだけで一律に省略できるものではありません。外部の容器等、直接の容器等に固着した表示、添付文書など、施行規則第221条の2が定める条件と記載場所を対応させます。

50g・50mL以下の場合に確認すること
内容量が50gまたは50mL以下の直接の容器等に収められ、外部の容器等や固着した表示を持たない小容器の見本品については、添付する文書に成分名称が記載されている場合の特例があります。薬機法施行規則第221条の2第3号は、成分名称の記載場所を確認する条件の一つとして、この場合を定めています(2026年8月24日施行、2026年9月8日確認)。
確認するときは、内容量だけでなく、外部の容器等があるか、直接の容器等に表示が固着しているか、添付する文書をどのように渡すかを並べます。容器の試作段階でラベル面積が小さいことが分かっていても、どこへ記載するかを後回しにせず、完成品の包装形態と一緒に確認します。
小容器の見本品であること、外箱を使わないこと、添付文書を渡すことは、それぞれ別に確認する事項です。製品の販売形態が変わると、最初に想定した特例の条件を満たさなくなることがあります。容器仕様の変更を受けた時点で、内容量だけではなく、包装と添付物を含む最終形を見直します。
10g・10mL以下の場合に確認すること
外部の容器等を有する化粧品のうち、内容量が10gまたは10mL以下の直接の容器等に収められた化粧品についても、外部の容器等や添付文書に関する特例があります。施行規則第221条の2第4号に沿って、直接の容器等、外部の容器等、添付文書、ディスプレイカードの関係を確認します(2026年8月24日施行、2026年9月8日確認)。
小さい容器では、見た目の都合だけで表示場所を選ばず、どの書面または容器に成分名称を置くのかを製品単位で決めます。同じ容器を使う製品でも、外箱の有無や添付方法が異なれば確認結果は変わり得ます。容器・外箱・添付文書の最終版をそろえてから、表示原稿を確認する流れにします。
販売時にディスプレイカードを使う場合も、カードを使う事実だけで特例の対象と結論付けません。表示の対象となる容器、外部の容器等、添付文書の組合せを確認し、どの情報がどこで読める状態になるかを整理します。完成品を複数の包装形態で扱う場合は、形態ごとに表示原稿を確認します。
OEMで表示を確認する流れ
化粧品OEMでは、処方の情報、容器や外箱の仕様、製造販売を担う者の情報が複数の担当に分かれることがあります。表示の確認は、原料担当だけ、またはデザイン担当だけで終わらせず、必要な情報を同じ原稿へ集める作業です。

邦文記載とラベル情報を確認する
施行規則第221条の3が第218条を準用し、化粧品の表示に関する事項は邦文で記載することとされています(2026年8月24日施行、2026年9月8日確認)。そのため、原料や処方に関する情報を受け取る担当、邦文名と表示順を確認する担当、ラベル原稿を確定する担当を分け、最終的に一つの原稿として照合します。
表示原稿の確認表には、製品名、製造販売を担う者の表示、成分名称、容器と外箱の組合せ、内容量、添付文書の有無、変更時の連絡先を置きます。品目ごとの届出との関係を確認する際は、化粧品の製造販売届・承認との違いを参照し、届出の確認とラベルの確認を同じ作業として扱わないようにします。
製造販売を担う者、製造所の担当者、デザインや包材を扱う担当者が異なるときは、原稿を確定する時点も共有します。試作の段階で仮の容器を使う場合は、量産時の容器、外箱、添付文書に置き換わった後に再確認します。表示の確認者が変更情報を受け取れない状態を避けることが、役割分担を置く理由です。
完成品と製造専用化粧品を分ける
この記事は、完成品として市場に出す化粧品の全成分表示を中心に扱います。他の化粧品の製造の用に供するため「製造専用」と表示された化粧品には、施行規則第221条の3が準用する別の特例があるため、完成品の表示と同じ手順で結論を出しません。

バルクの特例は別の確認軸として扱う
製造専用化粧品の特例では、用途、受け渡す相手、直接の容器等への「製造専用」の記載が条件になります。完成品の表示を確認する表にそのまま混ぜると、成分名称の表示と表示名義の確認範囲を取り違えるおそれがあります。バルクを受け渡す工程がある場合は、完成品化する前と後で、確認する表示の目的を分けます。
製造所で行う包装、表示、保管の工程と、製品を市場に出す際の表示は同じではありません。工程ごとの許可区分を確認する必要があるときは、化粧品製造業許可の区分も併せて確認してください。個別の製品が特例の対象になるかは、必要な情報をそろえて所管の都道府県薬務主管課または専門家へ確認します。
まとめ
化粧品の全成分表示は、成分名の順番だけではなく、邦文名、容器や外箱の形態、内容量、添付文書の有無を合わせて確認する作業です。完成品と製造専用化粧品の特例を分け、製造販売を担う者と表示原稿の確認者が同じ情報を参照できる状態にしておくことが大切です。
化粧品の製造販売届・承認との違い、化粧品基準の配合禁止・配合制限、化粧品OEMで誰に許可が必要かを読むと、表示、配合、役割分担を順に整理できます。情報の収録方針はポリシーで確認できます。
よくある質問
- Q. 化粧品の成分名はどの順番で記載しますか
- 成分名称は製品中の分量の多い順に記載し、1%以下の成分および着色剤は互いに順不同に記載して差し支えないとされています。香料は「香料」と記載して差し支えありません。「化粧品の全成分表示の表示方法等について」(平成13年3月6日医薬監麻発第220号・医薬審発第163号、2026年9月8日確認)に沿って確認します。
- Q. 小さい容器では、全成分表示をどこに記載しますか
- 内容量が50gまたは50mL以下、または10gまたは10mL以下の場合も、外部の容器等、添付文書、ディスプレイカードの有無によって確認する記載場所が異なります。薬機法施行規則第221条の2(2026年8月24日施行、2026年9月8日確認)で、製品の包装形態と併せて確認してください。
- Q. 製造専用のバルクも、完成品と同じ全成分表示が必要ですか
- 製造専用化粧品には、用途、受け渡す相手、直接の容器等への記載を条件とする別の特例があります。完成品の表示と混同せず、薬機法施行規則第221条の3および同条が準用する第214条(2026年8月24日施行、2026年9月8日確認)を確認し、個別の判断は所管の都道府県薬務主管課または専門家へ相談してください。
出典
- 1.医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(e-Gov法令検索)(laws.e-gov.go.jp)
- 2.医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)(laws.e-gov.go.jp)
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