化粧品の製造販売届は品目ごと?承認との違いと変更届
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
一般的な化粧品の製造販売は、承認を要する場合を除き、製造販売業者があらかじめ品目ごとに届出を行います。届出と承認は、どちらも製品を市場に出す前に確認する制度ですが、対象と手続の位置づけは同じではありません。ここでは、指定成分の中身を推測せず、届出主体、変更時、許可との前後関係を制度の枠組みとして整理します。
製造販売届と承認の位置づけ
届出は承認を要しない化粧品について、製造販売業者が品目ごとに行う手続です。最初に製品がどちらの枠組みで確認されるかを分けることで、届出だけを独立した作業として扱わずに済みます。
| 確認する区分 | 手続の位置づけ | 主に確認する者 |
|---|---|---|
| 承認を要しない化粧品 | 製造販売前に品目ごとの届出 | 製造販売業者 |
| 厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品 | 品目ごとの承認 | 製造販売をしようとする者 |
| 届出事項に変更がある場合 | 変更の届出 | 届出をした製造販売業者 |
品目ごとの届出

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条の9第1項は、承認を要する場合を除く化粧品を製造販売しようとするとき、あらかじめ品目ごとに届け出ることを定めています。対象となるのは化粧品の製造販売業者であり、製造所で工程を行う者そのものではありません。法律は2026年5月21日施行の現行条文で、2026年9月8日に確認しています。
「品目ごと」は、ブランドや企画全体を一度に届け出るという意味ではありません。製品を市場に出す前に、どの化粧品について届出を行うのかを製品単位で整理します。届出の前に、製造販売を担う者と製造所の役割を分けておくと、必要な情報を確認する順番を整えやすくなります。
企画段階では、製品ごとに確定している情報と、まだ確認が必要な情報を分けておくと役立ちます。届出を担う者が、製造所や関係者へ確認すべき点を一覧にしておけば、情報が複数の担当者に散らばることを防げます。製品の名称だけでなく、製造販売の担い手と製造所を対応づけて記録します。
承認との境界

同法第14条第1項は、厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品の製造販売には、品目ごとの承認が必要であると定めています。それ以外の化粧品は、第14条の9に基づく届出の対象です。いずれも2026年5月21日施行の現行条文、2026年9月8日確認の内容です。
ここで大切なのは、届出が一般的に用いられることと、承認という制度が存在しないことを混同しない点です。指定成分の範囲や個別の製品がどちらに当たるかは、このページだけで結論を出さず、製品の設計情報を基に所管の都道府県薬務主管課や専門家へ確認します。告示番号や指定成分の具体を、確認していない情報から補うことはできません。
判断表では、承認と届出を二者択一の説明で終わらせず、確認する根拠と相談先を並べます。製品の企画変更がある場合には、以前の整理をそのまま使わず、変更後の設計情報で確認し直します。制度の一般説明と個別製品の判断を切り分けることが、誤った前提で準備を進めないための基本です。
届出を行う主体と時点
届出の主体は製造販売業者であり、製造販売を始める前と、届出事項を変更した後では確認する時点が異なります。製品の変更を製造所内の変更だけと捉えず、届出に影響する事項かを役割分担表で確認します。

製造販売業者が確認すること
法第14条の9第1項が届出の対象とするのは、化粧品を製造販売しようとする者です。そのため、届出の確認は、企画担当者、製造所、物流担当者の名称ではなく、誰が製造販売を担うのかを起点に始めます。製造販売の定義と許可の確認は、化粧品OEMで誰に許可が必要かで役割別に整理しています。
製造販売を担う者は、製品を市場に出す前に、届出の対象となる品目、製造所、製品に関する確定情報を確認します。届出をする行為と、製造工程を行う行為は別の役割です。製造を委託している場合にも、製造販売を担う者が誰かを明確にしてから届出の準備へ進みます。
確認の担当を置くときは、届出に関する情報を受け取る者と、製造所の工程を確認する者の連絡経路も整えます。製品情報に変更が生じた場合、どの担当が製造販売を担う者へ知らせるかを事前に決めておくと、届出の確認が後回しになりにくくなります。役割分担表は、関係者の名称を並べるだけでなく、情報が渡る順序も記録するために使います。
変更時に確認すること
届出をした事項を変更したときは、同法第14条の9第2項により30日以内に届け出ることとされています。法律は2026年5月21日施行の現行条文で、2026年9月8日に確認しています。変更に気付いた日と、変更内容を確定する担当を記録しておくと、確認事項を追いやすくなります。
変更時は、製品仕様、製造所、表示に関する情報、役割分担のうち、どの情報が変わるのかを分けます。変更の影響を一つの連絡だけで済ませず、届出を担う者と製造所で工程を担う者が同じ情報を確認できる状態にします。個別の変更が届出の対象となるかは、所管窓口で確認してください。
変更前と変更後を並べると、確認すべき点を具体化できます。たとえば製造所に関わる変更であれば、工程の担当、製造所の区分、届出に関する情報を別々に確認します。変更の事実、確認した日、次に確認する担当を記録し、関係者間で同じ内容を参照できるようにします。
届出前にそろえる条件
届出は、製造販売業許可や製造所に関する確認と切り離された手続ではありません。製造販売を始める製品について、誰が製造販売を担い、どの製造所がどの工程を担うのかを先にそろえます。

許可と製造所の前提
承認を受ける化粧品については、同法第14条第2項で、申請者が製造販売業の許可を受けていない場合又は製造所が製造業の許可等を受けていない場合には承認を与えないこととされています。届出を扱う場合も、製造販売の担い手と製造所の体制を事前に確認することが基礎になります。法律は2026年5月21日施行の現行条文、確認日は2026年9月8日です。
製造販売業許可の確認と製造所の確認では、見る対象が異なります。前者は製造販売を担う者、後者は製造所と工程を起点にします。届出の準備表には、製品名だけでなく、製造販売を担う者、製造所、工程、変更連絡の担当を並べて記録します。
届出の準備を急ぐ場合でも、許可に関する確認を後ろへ回さないことが大切です。販売等を担う者と製造所の役割が整理されていなければ、必要な情報の確認先も定まりません。製品ごとに同じ項目を確認することで、担当者が変わった場合にも確認経路を引き継ぎやすくなります。
様式・提出先を確認する順序
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第70条第1項・第2項は、製造販売届書を様式第39、変更届書を様式第40として定めています。施行規則は2026年8月24日施行、2026年9月8日確認です。届出に関する権限は、同法施行令第80条第2項第8号により、製造販売を担う事務所の所在地に応じた都道府県知事に委任されています。施行令は2026年5月1日施行、確認日は2026年9月8日です。
確認の順序は、製品が承認と届出のどちらの枠組みかを確認し、製造販売を担う者と製造所を確認し、最後に届出書と提出先を確認する流れにします。様式の記載内容や提出方法は個別の手続案内が正となるため、所管の都道府県薬務主管課の案内で確認してください。この記事は申請書類の作成方法を示すものではありません。
手続案内を確認する際は、一般的な説明と個別の提出方法を分けて読みます。この記事で整理した役割と製品情報を手元に置いたうえで、所管窓口が示す案内と照合してください。届出書を作成するための個別の記載判断は、必要に応じて専門家へ確認します。
承認実績から誤解を避ける
令和6年の統計は、承認実績を読む際に「実績」と「制度の有無」を分ける必要があることを示します。数字を届出の必要性や個別製品の扱いへそのまま置き換えないことが重要です。

| 令和6年の化粧品の承認実績 | 製造販売承認 | 一部変更承認 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 件数 | 0件 | 0件 | 0件 |
令和7年版 厚生労働白書 資料編の「医薬品等の製造販売の承認の実績」は、令和6年の化粧品について、製造販売承認0件、一部変更承認0件、計0件としています。資料の確認日は2026年9月8日です。この数字は令和6年の実績であり、化粧品に承認制度が存在しないという意味ではありません。
法第14条第1項が定める承認の対象と、第14条の9が定める届出の対象は別に確認します。統計を読むときも、承認が0件だったことを理由に、製品ごとの確認を省かないことが必要です。製品の位置づけは、成分や設計に関する実際の情報を基に判断します。
統計は制度の利用状況を読むための材料であり、届出や承認の個別判断を代わりに行うものではありません。件数だけを見て制度の対象を狭く解釈せず、根拠条文と製品の情報を照合します。社内の確認表にも、統計上の実績と自社製品に関する判断を別の欄として記録します。
まとめ
化粧品の製造販売届は、承認を要しない化粧品を製造販売する前に、製造販売業者が品目ごとに行う手続です。承認の対象と届出の対象を混同せず、製造販売を担う者、製造所、変更時の連絡を分けて確認します。
制度の全体や許可の役割を確認するときは、化粧品OEMで誰に許可が必要かも参照してください。ほかのテーマはブログ一覧とガイド記事の一覧で確認でき、情報の収録方針は方針ページで案内しています。
よくある質問
- Q. 化粧品の製造販売届は、どの単位で必要ですか
- 承認を要する場合を除き、化粧品を製造販売しようとするときは、あらかじめ品目ごとに届出を行います。根拠は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条の9第1項です。2026年5月21日施行の現行条文を2026年9月8日に確認しています。どの情報を一つの品目として扱うかは、製品の実際の設計と手続案内を照合して確認してください。
- Q. 届出事項を変更した場合はいつまでに対応しますか
- 届け出た事項を変更したときは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条の9第2項により、30日以内に届け出ることとされています。法律は2026年5月21日施行の現行条文で、2026年9月8日確認です。変更の内容と担当者を整理し、届出を担う者が確認できる状態にしてから所管窓口へ確認します。
- Q. 令和6年の承認実績が0件なら、化粧品に承認は不要ですか
- いいえ。令和7年版 厚生労働白書 資料編は令和6年の化粧品の承認実績を0件としていますが、それは同年の実績です。医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第1項は、厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品について品目ごとの承認を定めています。法律は2026年5月21日施行、白書と法律の確認日は2026年9月8日です。
出典
- 1.医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(e-Gov法令検索)(laws.e-gov.go.jp)
- 2.医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(e-Gov法令検索)(laws.e-gov.go.jp)
- 3.医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)(laws.e-gov.go.jp)
- 4.令和7年版 厚生労働白書 資料編(mhlw.go.jp)