化粧品基準の配合禁止・配合制限|別表の見方を整理
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
化粧品基準では、配合の禁止・制限を本文の項と別表で定めており、実務で使われる呼称と告示上の区分は分けて確認する必要があります。
原料名だけを見て配合の可否を決めるのではなく、化粧品基準のどの項と別表に対応するかをたどることが基本です。この記事では個別の処方を判定せず、告示本文の構造を読み、確認すべき資料を整理する順序を扱います。
化粧品基準の位置づけ
化粧品基準は、化粧品の性状、品質、性能等について必要な基準を設ける仕組みに基づく告示です。本文の項番号だけ、または別表だけを切り離して読むのではなく、どの項がどの別表を参照しているかを対応させます。

| 確認する箇所 | 主な役割 | 確認時の視点 |
|---|---|---|
| 本文1 | 総則 | 原料を含む製品全体の基準を確認する |
| 本文2 | 配合の禁止 | 別表第1を含む対象範囲を確認する |
| 本文3 | 配合の制限 | 別表第2と最大配合量を対応させる |
| 本文4 | 配合の制限 | 別表第3・第4の対象を対応させる |
告示本文と別表で確認する構造
薬機法第42条第2項は、厚生労働大臣が化粧品について必要な基準を設けることができると定めています(2026年5月21日施行の現行条文、2026年9月8日確認)。これに基づく化粧品基準は、平成12年9月29日厚生省告示第331号として示され、平成13年4月1日から適用されています(2026年9月8日確認)。
確認の起点は、原料や配合量を別表から拾うことではありません。まず本文の項が扱う対象を確認し、次にその項に対応する別表を確認します。本文2は別表第1、本文3は別表第2、本文4は別表第3と別表第4に関わるため、原料情報を一つの一覧にしても、どの本文の項に沿って確認したかを残すと見直しやすくなります。
製品の開発段階では、試作ごとに原料や配合量の情報が変わることがあります。そのたびに表の結論だけを更新するのではなく、確認した本文の項、別表、確認日を関連付けます。これにより、仕様変更の後に、どの条件をもう一度確認すべきかを判断しやすくなります。告示の構造を共有しておけば、資料を受け渡す相手が変わっても確認の順番をそろえられます。

実務上の呼称と告示上の区分を分ける
実務では「ネガティブリスト」や「ポジティブリスト」という呼称が使われることがあります。ただし、これらは化粧品基準の本文にある正式な区分名ではありません。告示に沿って説明するときは、本文2から本文4と、別表第1から別表第4のどれを確認するのかを明記します。
呼称は社内での会話を短くするのに役立つ場合がありますが、発注条件や確認表では告示上の項番号と別表番号も併記します。そうすると、処方担当、薬事対応の担当、製造販売を担う者の間で、同じ語が別の範囲を指す事態を減らせます。個別成分の効能や広告表現を扱うものではない点も、確認表に区別しておくとよいでしょう。
特に、一覧表の見出しだけを「禁止」「制限」とした場合は、本文の項との対応が後から分からなくなるおそれがあります。「本文2・別表第1」「本文3・別表第2」のように記載しておくと、確認の根拠を後からたどれます。担当者間で資料の名称が異なる場合でも、告示上の番号を共通の手掛かりにできます。
配合禁止・配合制限の見方
本文2から本文4は、配合の禁止と制限を別の条件として扱っています。すべてを一つの「使える・使えない」の欄にまとめず、対象となる原料、別表、配合量などの条件を分けて確認します。

項2と別表第1を確認する範囲
本文2は、防腐剤、紫外線吸収剤及びタール色素以外の成分について、配合を禁止する対象を定めています。別表第1に掲げる物のほか、本文に示される対象を確認するため、単に別表第1の有無だけで処方全体を判断しないことが必要です。
確認表では、原料の名称、原料に含まれる情報、製品中での位置づけ、確認した本文の項と別表を並べます。原料メーカーから受け取る資料と配合設計上の情報が同じ単位になっているかも確認します。記事上の一般的な確認順と、個別の処方についての結論は別であり、個別の可否は必要な資料をそろえて確認します。
原料を切り替える場合や、同じ名称の原料でも仕様が変わる場合は、以前の確認結果をそのまま当てはめません。どの原料に関する情報なのか、製品中でどのように使うのか、どの項と別表を確認したのかを、変更後の情報で整理します。一般的な表は確認漏れを防ぐ補助であり、個別の配合について可否を保証するものではありません。
項3・項4と別表第2〜第4を確認する範囲
本文3は別表第2の成分について、表に示された100g中の最大配合量の範囲を確認する構造です。本文4は、防腐剤、紫外線吸収剤、タール色素に関する条件を示し、別表第3および別表第4と対応させます。対象とする原料の種類、適用される別表、配合量の条件を、一つずつ同じ行に記録します。
配合量だけを別に集計すると、原料の位置づけや適用する別表との対応が見えにくくなります。設計変更や原料変更があったときも、変更前後の原料情報、製品中での配合量、確認した別表を同じ順序で見直します。実務上の呼称で判断を終えず、告示の項番号と別表番号へ戻ることが、確認の根拠を共有する方法になります。
確認の記録には、作成した製品の用途や広告上の表現を混ぜず、配合に関する情報と基準の対応だけを置きます。表示や広告には別の確認事項があるため、一つの確認表で全ての法令上の判断を済ませようとしないことも重要です。担当範囲を分けることで、処方の確認と表示原稿の確認を混同せずに進められます。
処方確認の順序
処方確認は、個別の配合可否をこの記事だけで決める手順ではありません。原料と配合に関する情報をそろえ、化粧品基準の本文と別表の対応を確認し、判断が必要な事項を所管窓口や専門家へつなぐための一般的な順序です。

原料情報から確認項目を整理する
最初に、製品に使用する原料とその配合に関する情報を集めます。次に、化粧品基準の本文1から本文4のどの項に関係するかを整理し、必要に応じて別表第1から別表第4を確認します。この順序にすると、原料名の一覧と確認した根拠を分けずに管理できます。
確認の途中で資料が不足している場合は、推測で別表の位置づけを決めず、不足している原料情報や配合に関する情報を明らかにします。確認済みの事項と追加確認が必要な事項を分ければ、試作、量産、表示の準備を同じ結論で進めてしまうことを防げます。資料の更新者と確認者を決めておくことも、変更時の見直しに役立ちます。
確認表を共有するときは、確認日と対象となる試作または製品仕様も添えます。後から資料を見直す際に、別の仕様や別の製品の確認結果を取り違えず、変更の範囲を確認しやすくなるためです。
製造販売を担う者、製造所の担当者、処方に関わる担当者の間では、変更があった場合に誰が資料を更新するかも決めます。製造所で行う工程と許可区分を整理する必要がある場合は、化粧品製造業許可の区分も確認してください。製造販売の担い手や品目ごとの届出を含めて整理する際は、化粧品の製造販売届・承認との違いが参照先になります。
適合しない場合の取扱い
化粧品基準に適合しない場合の取扱いは、個別の事情をこの記事で判定するものではありません。基準への適合が確認できない段階では、販売や製造に進む前に、資料と確認の経緯を整理し、必要な確認先へ相談します。

行政上の手順と所管窓口への確認
薬機法第62条において準用する第56条第5号は、化粧品基準に適合しない化粧品について、販売等を目的とする製造、輸入、貯蔵、陳列などを禁止しています(2026年5月21日施行の現行条文、2026年9月8日確認)。問題が生じた場合の扱いは、直ちに一律の結果になるものではなく、立入検査等、改善命令や業務運営の改善措置、許可の取消しまたは業務停止、罰則という法定の段階があります。同法第69条、第72条、第72条の4、第75条、第84条第20号を確認してください(同日確認)。
一般的な確認表は、原料情報と告示の対応を整理するためのものです。特定の原料や処方が基準に適合するか、個別の製品についてどの対応が必要かは、所管の都道府県薬務主管課または専門家へ確認します。許可の役割分担から見直す場合は、化粧品OEMで誰に許可が必要かも参照できます。
まとめ
化粧品基準は、本文の項番号と別表を対応させて読むことで、配合禁止と配合制限の確認範囲を整理できます。実務上の呼称だけで結論を出さず、原料情報、配合に関する情報、本文の項、別表番号を同じ表で確認し、変更があれば同じ順序で見直すことが重要です。
次は、化粧品の製造販売届・承認との違い、化粧品OEMで誰に許可が必要か、化粧品製造業許可の区分を読み、製造販売と製造所の確認もつなげてください。情報の収録方針はポリシーで確認できます。
よくある質問
- Q. 化粧品基準の別表は、どのように確認すればよいですか
- 本文の項番号を確認したうえで、対応する別表を見ます。配合禁止・配合制限は、本文2から本文4と別表第1から別表第4の対応を先に整理し、個別の処方判断は必要な資料をそろえて行います。化粧品基準(平成12年9月29日厚生省告示第331号、平成13年4月1日適用、2026年9月8日確認)を確認してください。
- Q. ポジティブリスト・ネガティブリストは、告示の正式な区分ですか
- ポジティブリスト・ネガティブリストは実務で使われる呼称であり、化粧品基準の本文にある区分名ではありません。説明や確認表では、本文の項番号と別表番号を併記して、何を確認する範囲なのかを明確にします。化粧品基準(平成12年9月29日厚生省告示第331号、平成13年4月1日適用、2026年9月8日確認)に沿って確認します。
- Q. 個別の成分を配合できるか、記事だけで判断できますか
- この記事は、告示本文と別表を確認する一般的な順序を示すものです。個別の原料、配合量、処方についての判断は、必要な資料をそろえたうえで、所管の都道府県薬務主管課または専門家へ確認してください。
出典
- 1.医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(e-Gov法令検索)(laws.e-gov.go.jp)
- 2.厚生労働省「化粧品」(mhlw.go.jp)
- 3.化粧品基準(平成12年9月29日 厚生省告示第331号)本文(mhlw.go.jp)