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化粧品バルクの表示|製造専用化粧品の全成分表示を整理

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

10分
目次

他の化粧品の製造に供するために「製造専用」と表示された化粧品には、完成品とは異なる表示の特例が適用されます。化粧品OEMでは、充填前のバルクを受け渡す場面があっても、バルクという呼び方だけで特例が決まるわけではありません。用途、受け渡す相手、直接の容器または直接の被包の表示をそろえて確認することが必要です。

この記事では、製造専用化粧品の条件、表示名義と成分名称に関する二つの特例、完成品へ切り替える前の確認順を整理します。完成品の全成分表示そのものは、化粧品の全成分表示ルールで分けて確認してください。

製造専用化粧品とは

製造専用化粧品とは、他の化粧品の製造に供するための化粧品で、定められた相手への販売または授与と「製造専用」の表示を満たすものです。中間品であることだけを理由に表示を省略できる制度ではないため、受け渡しの目的と表示を同じ表で確認します。

製造専用表示とバルクの受け渡し条件を確認する図解
製造専用表示とバルクの受け渡し条件を確認する図解
確認する軸製造専用化粧品として見る条件完成品として見る場面
用途他の化粧品の製造に供する市場へ出すための製品
相手製造販売業者または製造業者販売先・授与先
直接の容器等「製造専用」の文字を記載する完成品の表示を確認する

製造専用の特例が適用される条件

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第221条の3は、同規則第214条を化粧品に準用しています。ここでいう製造専用化粧品は、他の化粧品の製造の用に供するため、化粧品の製造販売業者または製造業者に販売または授与する化粧品で、直接の容器または直接の被包に「製造専用」の文字があるものです(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第221条の3・第214条、2026年8月24日施行、2026年9月8日確認)。

確認の出発点は、原料や半製品という社内の呼称ではなく、どの用途で誰に引き渡すかです。例えば、次の工程で他の化粧品を製造するために受け渡すのか、完成品として市場に出す準備に移ったのかで、照合する表示の枠組みは変わります。受け渡し先が化粧品の製造販売業者または製造業者に当たるかも、契約書や工程表と合わせて確認します。

製造専用特例の適用条件を整理する図解
製造専用特例の適用条件を整理する図解

完成品の表示と分けて考える理由

完成品向けの表示と製造専用化粧品の特例を混ぜると、どの時点の容器等を確認しているのかが曖昧になります。製造専用の特例は、化粧品の製造工程に供する中間段階を対象にした読み替えであり、完成品のラベル確認を不要にする一般的な扱いではありません。

製造専用の表示があるからといって、次の工程後の製品まで同じ表示でよいとは限りません。製造、包装、表示、保管の担当が変わる場合は、受け渡す時点と最終製品として市場に出す時点を工程表で分けます。発注側と受託側の許可・工程の役割は、化粧品OEMで誰に許可が必要かの当事者整理も併せて確認すると混同を減らせます。

表示の二つの特例

製造専用化粧品で確認する特例は、表示名義の読み替えと成分名称に関する扱いの二つです。同じ条文から導かれる効果でも、誰の名称を表示するかと、何の成分名称を記載するかは別の確認項目です。

表示名義と成分名称の二つの特例を分ける図解
表示名義と成分名称の二つの特例を分ける図解
確認項目製造専用化粧品での扱い確認を残す資料
表示名義製造販売業者を製造業者と読み替える受け渡し時の直接の容器等
成分名称法第61条第4号を適用しない用途と製造専用表示の条件
完成品化後完成品向けの表示を別に確認する最終ラベル原稿

製造販売業者を製造業者と読み替える場面

化粧品の直接の容器等には、製造販売業者の氏名または名称および住所を記載することとされています。医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第61条第1号は、2026年5月21日施行の現行条文でこの記載事項を定めています(2026年9月8日確認)。

製造専用化粧品については、施行規則第221条の3が準用する第214条により、この第61条第1号の「製造販売業者」を「製造業者」と読み替えます。つまり、特例の対象かを確認できた場合でも、名称を書くか書かないかではなく、どの役割の者を表示名義として読むかを確認することになります。ブランド名や販売時の表示と混同せず、受け渡しの時点に対応する表示名義を工程ごとに残すことが大切です。

成分名称の表示を扱う場面

製造専用化粧品には、施行規則第221条の3が準用する第214条により、法第61条第4号の成分名称に関する規定および同法第62条で準用する規定の一部を適用しない特例があります。これは、製造専用として受け渡す化粧品の成分名称表示についての扱いであり、完成品の全成分表示の考え方を否定するものではありません(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第61条・第62条、2026年5月21日施行の現行条文、2026年9月8日確認)。

そのため、最終ラベルを作成する段階では、製造専用の特例をそのまま転用せず、完成品に必要な表示を別に照合します。成分の名称を邦文で記載する方法や、配合量順の考え方は「化粧品の全成分表示の表示方法等について」(平成13年3月6日 医薬監麻発第220号・医薬審発第163号、2026年9月8日確認)で示されています。バルク受け渡し用の表示と最終ラベル原稿を同じファイルで扱う場合も、用途を明記して区別します。

バルク受け渡しで確認すること

バルク受け渡しでは、用途、表示、受け渡し先を一続きで確認することで、特例を完成品まで広げて解釈することを避けられます。確認表は、事業者の優劣を決めるものではなく、担当者間で前提を共有するためのものです。

バルク受け渡し時の確認順序を示す図解
バルク受け渡し時の確認順序を示す図解

用途・表示・受け渡し先をそろえる

最初に、バルクが次の化粧品製造に供されるものかを確認します。次に、受け渡し先が化粧品の製造販売業者または製造業者であること、直接の容器または直接の被包に「製造専用」と記載することを、同じ確認表に記入します。この三点が別々のメールや口頭連絡に散らばると、誰がどの表示を確認するのかが不明確になりやすいためです。

続いて、受け渡し後に行う工程を整理します。充填、包装、表示、保管のいずれを誰が担うか、最終ラベルを誰が確認するか、変更が出たときに誰へ連絡するかを、製造販売の担い手と製造所の担当に分けて共有します。許可区分や保管のみの登録を含む工程の整理は、化粧品製造業許可の区分も参照しながら、個別の事実関係は所管の都道府県薬務主管課または専門家へ確認してください。

確認表には、品名だけでなく、受け渡す物がどの製造工程の前後にあるか、最終製品へ移る予定があるかも記載します。容器や被包を変更する予定があるなら、製造専用の表示を確認した時点と、変更後の表示を確認する時点を分けます。こうした記録は、後から特例の対象と完成品の表示を取り違えないための共通の確認材料になります。

受け渡し時の記録に最終ラベルの承認欄まで混在させないことも有効です。確認事項を工程単位で分ければ、変更連絡があった場合に見直す範囲を担当者間で共有しやすくなります。記録の名称にも対象工程を付け、確認範囲と確認の意図も共有します。

完成品化する前の確認

完成品化する前の確認は、製造専用の特例が適用された中間品を、完成品向けの表示確認へ切り替える節目です。バルクの時点で整えた情報を引き継ぎつつ、最終製品として市場に出す表示を別のチェックとして扱います。

完成品化前に切り替える表示確認の図解
完成品化前に切り替える表示確認の図解

完成品の表示ルールへ切り替える時点

完成品として市場に出すために包装や表示を行う段階では、製造専用化粧品の受け渡し時の特例と、完成品の直接の容器等に必要な表示を分けます。最終ラベルを承認する前に、製造販売業者の表示名義、名称、製造番号または製造記号、成分名称など、法第61条で定められた事項を確認します。どの事項が製品に当てはまるかは個別の設計に左右されるため、記事だけで適否を決めず、関係資料と照合します。

化粧品OEMの工程では、試作時の容器、バルク受け渡し時の容器、販売時の容器が一致しないことがあります。だからこそ、製造専用の表示を確認した記録と、完成品のラベル原稿を同一視せず、工程ごとに確認者と確定時点を残します。品目ごとの届出と表示準備の関係は、化粧品の製造販売届と承認との違いも合わせて確認すると、量産前の役割分担を整理しやすくなります。

まとめ

製造専用化粧品の特例は、バルクという呼称ではなく、他の化粧品の製造に供する用途、受け渡す相手、直接の容器等に「製造専用」と記載する条件で確認します。表示名義の読み替えと成分名称の扱いは別の論点として整理し、完成品化する段階では最終ラベルの表示確認に切り替えます。

化粧品OEMの表示確認は、工程ごとの役割を分けておくほど、受け渡し時の混同を減らせます。掲載方針は運営方針、制度や表示に関する記事一覧はガイドカテゴリから確認できます。

よくある質問

Q. 製造専用化粧品とは何ですか
他の化粧品の製造の用に供するため、化粧品の製造販売業者または製造業者に販売または授与し、直接の容器または直接の被包に「製造専用」と記載する化粧品です。製造専用の特例は、用途、相手、表示を満たす場合に確認します(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第221条の3・第214条、2026年8月24日施行、2026年9月8日確認)。
Q. 製造専用化粧品では、表示名義はどうなりますか
製造専用化粧品では、法第61条第1号の製造販売業者を製造業者と読み替える特例があります。完成品の表示名義をそのまま決める規定ではないため、受け渡し時の用途と、完成品として市場に出す時点を分けて確認します(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第221条の3・第214条、2026年8月24日施行、2026年9月8日確認)。
Q. 製造専用化粧品には、全成分表示が不要ですか
製造専用化粧品には、法第61条第4号の成分名称に関する規定を適用しない特例があります。ただし、これは製造専用の条件を満たす中間段階の扱いであり、完成品の表示確認を不要にするものではありません(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第61条・第62条、2026年5月21日施行の現行条文、2026年9月8日確認)。

出典

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